札幌市西区のお客様から、「単身赴任中の旦那さんと義理のお母さんと同居する必要がある。今住んでる1階をフルリノベーションしてほしい」というご依頼がありました。
お母さんと同居するので、お互いに精神的に負担のない間取りにしてほしいという要望です。
お客様のご自宅は何度も増築を繰り返したので、非常に生活しにくい状態でした。
ちいさなリフォームハウスはぜひお客さまの力になりたいと思っているので、今回施工させていただきました。
リノベーション施工前の家の状態
こちらが札幌市西区のリノベーション前の家です。
今回のリノベーションの図面設計では、家の住む人が変わっていった後のことを考えて、お客様と打ち合わせしました。
家のリノベーション後に同居されるのは、90代の義理のお母様です。
具体的に言うと、90代の義理のお母様がいなくなった先のことも考えて、今後の部屋の活用方法も含めての間取りを検討しました。
義理のお母様がいなくなった時は、60代のお客様がやっているピラティススクールの教室に改築できるように工夫しました。
こちらがフルリフォーム前後の間取りの図面です。
単身赴任から戻られる60代のご主人の洋室を作れるように考えたのもポイントです。
先々のことを考えて、ピラティス教室に改装しても、騒音が聞こえない位置の間取りにご主人の部屋を設計しています。
また、お母様の洗濯物を同室に干せるように、日当たりのいい窓側に電動の「ホシ姫サマ」も設置しました。
義理のお母様の同居や将来の夫婦二人暮らしを見越して間取りを設計するのは大変です。
ちいさなリフォームハウスの最初の仕事だったこともあり、打ち合わせと図面設計に1年くらいかかりましたが、その分お客様に満足してもらえる間取りの設計ができました。
工事中の様子
工事中はこんな様子です。
可動式の間仕切りを設置
実際の工事では、90代の義理のお母さんには2つの部屋に分けられるようにしました。
二つの部屋を分けるところに、可動式の間仕切りの壁を設置したのがポイントです。
公民館や市役所の会議室にあるような移動式の間仕切りですね。
普通の家のリノベーション・リフォームでは移動式の間仕切りを取り入れようと発想する業者さんは少ないかもしれません。でも、ちいさなリフォームハウスは必要だと思ったので、提案させていただきました。
こちらのお客さまはNPO法人をたくさん手掛けており、ピラティス教室だけでなく、無認可保育所などもやっていて必要だと私は思ったからです。
義理のお母様がいなくなった先のことを考えて、半分はお客様の仕事で使えるスペースにして、半分はお客さまのご夫婦のプライベート空間にできるように工夫しました。
施工後の1階のフルリノベーションの様子
工事完了後にできたのがこちらです。
ご主人は単身赴任だったので、工事やる頃には戻ってきました。
どうしても自分の部屋が欲しかったそうなので、私に向かって、「いやー、いいねぇ」と喜んでいただいたのが印象的です。
やはり、男性は自分一人になれる部屋が欲しいと思います。ちいさなリフォームハウスは、今まで400枚以上の図面設計を手掛けてきましたが、男性は一人になれる空間を好むと感じてきました。
今回のリノベーションでも、一人になれる快適な部屋を作ることができてよかったです。
今回のご依頼主である奥さまには、キッチンを非常に喜んでいただきました。
打ち合わせで最新式のU字型のキッチンを入れたので、実物を見た時によりいっそう喜びが増したようです。こちらも嬉しくなりました。
90代の義理のお母様には介護が楽になる収納椅子を2ヶ所に設置させていただきました。こちらはお客様からのご要望です。
脱衣所と玄関に収納椅子を入れたので、介護時の動作が非常に楽になりました。
たとえば脱衣所では、義理のお母様を一回座らせて体を拭くので、収納椅子があると楽になります。
玄関にも義理のお母様がデイサービスに行き帰りしやすいように、収納椅子も付けました。
ちいさなリフォームハウスの仕事は、お客様のご要望を受けて、使いやすいデザインの椅子を選んだり、使いやすい位置に取り付けることです。
お客さまの「こんな家ができたらいいな」という想いを今回のリノベーション全部取り入れることができたので、非常に喜んでいただきました。
最後に
振り返ると、この平屋のリノベーションがちいさなリフォームハウスとして初めてやったお仕事です。
独立して起業する前は、一級建築事務所で図面を400枚以上書いていたので、間取りの制作には自信がありました。
しかし、実際の工事は初めてだったので、非常にやりがいのあった工事でした。ご依頼いただいたお客様には本当に感謝しています。
また振り返ると、ちいさなリフォームハウスでは最初の頃からユニバーサルデザインを心がけています。
ユニバーサルデザインは年齢、性別、文化、身体の状況にかかわらず、誰もが利用しやすいように考えられたデザインです。
コンセントは床上40cm、スイッチは120cm。もし手が不自由な人でも、肘でスイッチを押せるように工夫されています。
ユニバーサルデザインは、身体が元気であっても、その位置は便利なのがポイントです。
私は自分の父親が身体障害者だったので、使いやすい家づくりを心がけてきました。
90代の義理のお母さんに配慮する家の作りは、60代のお客さまが歳を重ねたときも住みやすい作りになります。
すごく時間がかかったけれど、その分だけいいものができたし、お客さまにも喜んでもらえました。
ちいさなリフォームハウスでは、お客さまの「こんなリフォームにしてほしい」という提案だけでなく、リフォーム業者目線で「こんなものがあったらお客さまに便利では?」という施工も提案させていただいてます。
何かあればご相談ください。
【※】職人さんだけ変える
◆この工事(各職人さん)は、工務店さんに一式依頼し、ちいさなリフォームハウス菊地1名が現場監督をさせていただきました。
施工日:施工日:2018年9月3日~11月末 場所:西区