付き合いのあった大工さんから、札幌市清田区の「女性のお客さまのリフォームの要望を聞いてほしい」というご依頼がありました。
お客さまは女性2人暮らしなので、キッチンの仕様やお風呂の色、壁の色や間取りなどを全部聞いてほしいとのことです。
大工さんは男性なので、細かいところまで配慮してリフォームするのは、苦手な人が多いんです。
ちいさなリフォームハウス代表の橋本は女性なので、逆にご要望を丁寧に聞いて、イメージ通りのものを作り上げるのが得意としています。
普段はちいさなリフォームハウスが大工さんに工事を依頼しますが、今回は珍しく逆のパターンです。
お客さまのリフォームの希望を叶えるために、今回は施工協力させていただきました。
施工前 三角屋根の家の状態
こちらが札幌市清田区の三角屋根のお家です。
子育てが終わって姉妹二人で住んでいたお客様は1階で暮らしていました。
しかし、どちらかの来客があるとお客さまを1階に上げねばならず、片方が気を使うことになってしまいます。
たとえば、お姉さん側の息子さんが1階に来たら、同じフロアに住む妹さんが気を遣ってしまう状況です。
そこで使っていなかった2階をフルリノベーションして、1階にお姉さんが住み、2階に妹さんが住みたいとご依頼されました。
つまり、一戸建ての二人暮らしを二世帯住宅にするリノベーションですね。
今回のリノベーションをする前の2階は、2部屋しかなくて、簡易的な間仕切りしかありません。
妹さんは、「2階に私が住みたいのでワンルームの部屋にしてほしい」と希望されました。
お客さまは、リノベーションが初めてなので、どうすればいいかわかりません。
そこで、ちいさなリフォームハウスの女性代表の橋本が相談に乗り、リクシルのショールームへ2回同行しました。
男性の大工さんならカタログだけを置いて、「選んでおいてくださいね」と言いがちですが、それでは絶対にお客さまはわからないですし、不安だと思います。
ちいさなリフォームハウスはお客さまの希望に寄り添い、お客さまが実現したい理想の住まいづくりの手助けをしたいと考えています。
私がショールームに同行し、「最初にお客さまが自分の家にほしいものを選んでください。どうやって予算内で実現できるかを私が考えます」と言いました。
「新しいものを選ぶって楽しい!、本当はリフォーム・リノベーションって楽しいんだね」とお客さまには言っていただき、非常にいいショールーム同行ができたと思います。
お客さまの希望に合う水回りなどの設備(システムキッチン、ユニットシャワー、トイレ、洗面台)を一緒に相談しながら選び、リノベーションに臨みました。
三角屋根のリノベーション工事中の様子
工事中はこんな様子です。
広いワンルームにするために柱を抜く
今回の工事で一番慎重に作業したのは、柱を抜く工事です。
お客さまから、「広い空間にしたい」というリクエストをいただいていました。
しかし、真ん中に柱があるので、邪魔になってしまいます。
お客さまもいずれワンちゃんを飼いたいとおっしゃっていたので、どうしても柱を抜く必要がありました。
そこで、ちいさなリフォームハウスの橋本は1級建築士さんに、「柱を抜いても大丈夫ですか?」という確認を慎重に進めました。
「その柱は構造体を支えるものではないので、抜いてOKです」と言われたので、無事に抜くことができました。
三角屋根の天井は真ん中が高くて、両サイドに行けば行くほど天井が低くなっていきます。
「せめて真ん中のスペースは柱を除いて、お客さまに広く住んでもらいたい」と思っていたので、実現できてよかったです。
家のリフォーム・リノベーション中はお客さまに別の場所に住むのをオススメしたい
今回の件は、約1ヶ月半の工事期間中にお客さまがずっと住まわれていました。なので、お客さまに非常に気を遣いました。
お客さまが住みながら、家のリフォーム・リノベーションの工事をするのは、非常に難しいことなんです。
本当のことを言うと、お客さまが住みながら家のリフォーム・リノベーション工事するのは、いいことではありありません。
いつもの住環境では出ない工事音が出るので、お客さまにストレスを与えるからです。
ガタイのいい職人さんも出入りされますし、知らない人が自分の家に出入りするのは見えないストレスをお客さまに与えます。
今回は、約1ヶ月半の工事期間中にお客さまが住まわれるので、居住空間をしっかり養生することを心がけました。
プラダン(プラスチック段ボール)やベニヤ板で壁を作り、お客さまの居住空間と工事エリアを区切ったのです。
ホコリや音がなるべくお客さまに届かないように気を遣いました。
しかし、壁を隔てても音や人の出入りが激しいので、1〜1ヶ月半は工事が続くとお客さまのストレスになります。
ちいさなリフォームハウスの橋本としては、工事期間中はウィークリーマンションに移って暮らすことをオススメしています。
工事期間中にウィークリーマンションに住めば、お客さまもいらないものも片付けられるし、ストレスなく過ごせるからです。
これからフルリフォーム・リノベーションをご希望される方は、工事期間中は別の場所で住むことを考えてみてください。
施工後 リノベーション後の三角屋根のワンルーム
こちらが工事後のリノベーション後の三角屋根の2階ワンルームです。
2階はフルリフォームしたので、お客さまにすごく喜んでいただけました。
「きめ細かいところまで配慮して作ってもらえたのでよかったわ」と言ってもらえたのが印象的です。
施工後のキッチン
こちらがキッチンです。
屋根の高い真ん中で作業できるようにコンロを設置したり、屋根の低いデッドスペースに電子レンジを置き、無駄なスペースをなくす設計をしています。
空間を活用した物を置くスペース
デッドスペースを利用した布団を入れる収納庫を作るなど、収納スペースも有効活用できるように工夫しました。
三角屋根のトイレ
トイレは三角屋根のため工事で苦労した部分です。
途中で大工さんの勝手な考えで、「トイレの高さは図面通りではできない。こうしたほうがいい」と意見を言われました。
しかし、現場監督の橋本が、「大丈夫!私は図面を書くのが本業なので図面通りの高さでやって!そちらの方がお客さんのためになるわ」と言い切りました。
実際にトイレは図面通りに作って問題なかったですし、大工さんの言うことを押しのけてよかったです。
(リフォーム・リノベーションの現場で使い勝手の悪い家ができるのは、大工さんの独断で進められることが多いので、ちゃんと現場管理する必要があります)
最後にテレビやストーブを設置した三角屋根の家
最後に、ちいさなリフォームハウスの2名でカーテンレールの設置、テレビのアンテナのセッティングをやって作業完了です。
柱も撤去したので、リノベーション後の2階のワンルームは北海道弁で言うあずましい空間になりました。
お客さまから、「また、ちいさなリフォームハウスさんに頼みたい」と満足してもらいました。
最後に
今回のリノベーションは、三角屋根だったので端に行けば行くほど天井の高さが低くなります。非常に難しかったです。
真ん中の天井は高いけど、端っこはかがまないといけません。
端っこにあるトイレの中は、天井の低い場所にトイレットペーパー置きにしたり、高低差のある場所をうまく利用するのが難しかったです。
建築業界でも言われているけど、高低差のある居住空間は非常に難しいです。
三角屋根のお家は屋根の高いところしか人間は動けないし、低いデッドスペースを上手に活用するのにセンスが問われます。
今までいろんな工事を手掛けましたが、トップクラスで難しかったです。一緒にやっていた大工さんも「難しいな」と言っていたのが印象的でした。
でも、お客さまに満足していただき、非常にやりがいのあるリノベーションになりました。
ちいさなリフォームハウスでは、お客さまの「こんなリフォームにしてほしい」という提案だけでなく、リフォーム業者目線で「こんなものがあったらお客さまに便利では?」という施工も提案させていただいてます。
何かあればご相談ください。
◆この工事(各職人さん)は、大工5名、設備1名、クロス5名、電気2名、サッシ1名、北ガス2名、美装1名、ちいさなリフォームハウス2名で工事をさせていただきました。
施工日:2022年6月29日〜7月31日 約30日間 場所:札幌市清田区